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コンサルタント奮闘記
        
 

 

【たかやま なおこ】
 
 
略歴:兵庫県生まれ。大学卒業後、株式会社日本航空インターナショナルに入社。国内線、及び国際線にて乗務を続ける傍ら、2005年に中小企業診断士の資格を取得。その後、株式会社キートゥサクセスに転職し現在に至る。
 
   
   
 
見出し

 組織を環境との関係から捉えた場合、その有効性と効率性を向上させることが企業にとって大きな課題となる。有効性の高い組織は、顧客に何らかの価値を提供する能力が高く、市場から選ばれる組織である。一方、効率性の高い組織は、より無駄なくスムーズに顧客価値を生み出すことのできる組織である。つまり、有効性は売上拡大に、効率性は費用削減につながるので、企業にとってある種使命である収益拡大に有効性と効率性が重要となるのだ。ごく当たり前のことだと思う方は多いだろう。しかし、なぜ企業にとって有効性と効率性の向上が時として困難であるのか。その理由の一つに、有効性と効率性が場合によってはトレードオフの関係になることが挙げられる。

 「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの2007年2月中間期決算が大幅減益、さらに8月期決算の見通しも下方修正というニュースを読んだ時、この「有効性」と「効率性」の両者を追求することの難しさについて考えさせられた。記事では、収益性悪化の要因について、「いろいろなことに手を広げすぎ、肝心なところで油断があった。」と語った同社の柳井会長兼社長の言葉を受け、「いろいろなこと」と「肝心なところ」の2点についてまとめていた。「いろいろなこと」とは、ファッション化路線に伴う販売戦略上の施策であり、斬新なデザイン商品の開発や商品ラインナップの充実化を指しているという。ファッション化路線と聞いて、最近のユニクロのTVコマーシャルが頭に浮かんだ人も少なくないのではないだろうか。一方、「肝心なところ」とは、大量生産、大量販売を前提としたファーストリテイリングの高収益を生み出すビジネスモデルを指しているという。まさに、「いろいろなこと」は有効性の向上を目指したものであり、「肝心なところ」は効率性の維持を意味するのではなかろうか。ファーストリテイリングは、従来のユニクロにはない新たな顧客価値を提供する点では失敗したわけではない。しかし、そこに集中するがあまり、費用を抑える体制の整備を疎かにしたため、増収を遂げながらも営業利益を約5%落とすという結果を招いてしまったのである。単に有効性と効率性をそれぞれ向上させればよいのではなく、両者のトレードオフを見極めた上でバランスよく実現する組織を作ることこそが強い企業への成長を意味するのであろう。

 

 

イノベーションマインドの向上を目指して

     
by Naoko Takayama 2007-04-27
   
    
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