日曜日の朝に放映される討論番組でパロマや不二家など一連の企業の不祥事が話題に上がっていた。そこにゲストとして招かれていたのがジャパネットたかたの高田社長であった。ジャパネットたかたは、顧客情報流出問題が発覚した際、直ちにその事実を公表し、販売を約2ヶ月自粛している。高田社長は、「とにかく、No.1企業になることを目指すと顧客との繋がりを忘れてしまうから、経営者はNo.1を目指しては駄目です。」と番組の最後でコメントをしていた。「じゃあ、あなたはNo.1企業を目指していないと言うのですか?」と質問するファシリテーターに「私は一度もNo.1を目指したことはありません。」と高田社長はきっぱり言い切ったのである。おそらくジャパネットたかたはNo.1企業ではなく、顧客との信頼関係を重視し、高い付加価値を提供することで顧客から求められるオンリーワン企業を目指しているのだろうと私なりに解釈をした。
つい先日、私は、ある企業の管理職研修で講師を担当した際に、人が仕事そのものをおもしろいと感じる動機付け要因の一つとして「仕事自体の意味合い」について話をした。人が仕事そのものに満足するには、そこに意義を感じることが必要であり、だから、企業自体の存在意義が重要なのである。オンリーワン企業の社員は、おそらく規模や売上シェアに関係なく仕事自体の意味合いを強く感じているだろう。もちろんNo.1企業であることも社員の誇りに結びつくかもしれないが、持続性は疑わしく、かつ仕事自体の意味合いに結びつくものではない。いくらリーディングカンパニーであろうがNo.1のシェアを誇る企業であろうが、No.1からの失墜や不祥事が発覚すればそこにいる社員の自尊心は簡単に損なわれてしまう。それは私自身が以前勤めていた企業で身にしみて感じたことでもある。
昨今、コンサルティング需要は急増していると言われ、数多くのコンサルティングファームが存在している中で、キートゥサクセスは、大手ファームに比べると規模は小さく超有名企業とは言えない。しかし、私はキートゥサクセスを他のコンサルティングファームにはない特性をもったオンリーワン企業だと感じている。だからこそ、その独自性に自分が少しでも貢献できることに誇りを感じ、決して楽な仕事とは言えないがやりがいを感じ日々働いているのである。
No.1企業ではなく、オンリーワン企業を目指す、そこにジャパネットたかたが急成長したkey to successがあるのではないだろうか。 |