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イノベーションマインドの向上を目指して
        
 

 

【かねたか せいじ】
 
 
略歴:1960年大阪府生まれ。大手情報システムベンダーから、銀行系シンクタンクを経て2000年株式会社キートゥサクセスを設立。趣味はゴルフ。高杉晋作の「苦と楽を差し引きすれば、浮き世の値わずか三銭」、丹羽伊藤忠会長の「認めて、任せて、褒める」が座右の銘。
 
   
   
 
見出し

 北海道苫小牧市の食肉製造加工会社であるミートホープ社の事件がさかんに報じられている。今朝のテレビでは、偽装は創業以来行ってきたことらしく常態化したものであり、創業者の田中社長の経営姿勢に批判が続出している。

 少し考えてみた。豚肉や鶏肉を牛肉と偽り、コロッケの原料として流通させた事実は許し難い行動である。しかし、その原料を使ったコロッケが美味しくなく、売れ行きが芳しくなかったとすれば、コロッケを製造するメーカーも販売する小売店も、ミートホープ社に対し、原料の改善を求めたに違いない。だが、そのような改善要求もなくメーカーや小売店は、ミートホープ社が提供する原料で、長年コロッケを製造し販売し続けていた。

 ということは、偽物でも消費者を騙すことができると田中社長は判断したのでないか。偽物でも市場は受け入れてくれる。偽物でも流通業者は売れればそれでよいと受け入れてくれる。偽物の方がより多くの利益を得ることができる。そんな考えが、徐々に田中社長の心の中を支配したのではないだろうか。

 我々が提供するコンサルティングというサービスも、クライアントが喜びさえすれば、提案する内容のレベルが低くとも、「顧客満足」という大義名分で自分自身を納得させてしまう危険性を有している。クライアントが喜ばない「真実の提案」は、二の足を踏むことも多い。また、そうなりやすいサービスである。

 本当の「顧客満足」を得るためには、「本物」を提供しなければならないはずである。安易な「顧客満足」うわべだけの「顧客満足」は偽物でも得ることはできる。その方が工数も削減でき、目先の利益に直結する可能性が高い。

 しかし、それではいつかミートホープ社のようになってしまう。目先の利益が少なくとも、真実を告げることで顧客が立腹しようとも、レベルの高い本当の経営的な提案を継続しなければならないはずである。金高の立場からするとktsの経営者として、目標である売上高や営業利益、営業キャッシュフローの獲得は必達である。だが、偽物を提供することでの必達は許されない。「本物」の提供で目標が達成できることを目指し努力していきたい。

「本物」を提供することは勇気が必要だ。そんな思いでミートホープ社のニュースを見ていた。

 

 

コンサルタント奮闘記

     
by Seiji Kanetaka 2007-06-26 in Osaka
   
    
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