先週の日経ビジネスに「隠れた実力派160社」という特集記事が組まれていた。興味を引く見出しだったこともあり、配達されると同時に記事を読むと、我々もよく知っているホチキスで有名な「マックス」のことが書かれていた。マックスは、ホチキスだけではなく、住宅建設市場でも使用される釘打ち機なども製造している企業である。
その記事の中で、2002年に就任した現社長の三井田さんの思いが書かれていた。三井田さんが就任する直前期は、マックスは減収減益に転落していたそうだ。ここで大きな点は、三井田さんが就任した年度も前年と同様に減収減益となったことである。このとき、三井田さんは「計画された減収減益」として、マックスの「本当の実力」であるとの認識を持ち、背伸びをしない経営を目指したと記事に書かれている。
2期連続で減収減益となった本当の狙いは、「本当の実力の可視化」であったとのこと。記事を読んで体が震えた。
人間でも企業でも、自分自身や自社の「本当の実力」に直視することほど難しいことはない。というか、それができる人間や企業が一流であり、大半は直視できない。しかし、金高は、「本当の実力」を直視できなく、または認識できない以上、成長はなく発展はないと思っている。
サラリーマン時代に、上司から年度末になると「もうそれ以上売上を上げるな」「来期がしんどくなる」とよく言われた。また、年度末の押し込みによる売上計上も何度か手を染めたことがある。世の中では常識かも知れない。しかし、その行為は嫌でしかたがなかった。
金高をサポートしてくれるktsの取締役からは、いつも「正直すぎませんか」と言われる。それを言われるたびに、「正直でいいよ」「ktsの本当の実力なんだから」「だから、本当の実力を高めていこう」と言っている。従業員にも同様に、「絶対に背伸びして、良く見せようなんて思うな」「そんなことを思って仕事をして成長するわけがない」と言っている。
マックスに負けない「本当の実力」をしっかりとつけていきたいと強く感じた記事であった。 |